Lady Green's Diary

英語講師Lady Greenの日記

ラテンの次は能楽堂

先日はラテンダンスの話を書きましたが、今度はうってかわってお能の話です。

 

実はずっと前からお能が好きで時々能舞台を身に行くのですが、ここ数年はちっとも見に行っておらず、久しぶりに見に行きたいなぁと思っていました。「そう言えば毎年お盆の時期に薪能があるぞ」ということを思い出し、思い立って出かけてきたのでした。

 

生國魂神社での薪能。今回で鑑賞3度目位でしょうか。開始時はまだ日が上がっていて暑かったですが、しばらくすると雲が太陽を上手い具合に隠してくれる。そのうちに太陽が沈み風も出てきて良い感じ。暑いのは暑いですが、耐えられる暑さ。薪の火が入ると舞台の上は本当に幻想的な世界です。でも、演者さんはものすごく暑いだろうな(笑)

 

お能って動きがゆっくりで静かなイメージを持たれている人が多いかもしれませんが、実は結構激しく動き回る時もあり、音楽もノリノリだったりします。演目にもよりますが、1曲の中でもゆっくり進む場面、アップテンポになる場面があって、結構メリハリがあります。ゆったり進む時は心地よく夢見れる(要は居眠りする)のですが、急に話が盛り上がってお囃子の大声の掛け声や地謡の声に目が覚めることもあります。今回もそんな感じでした(笑)

 

でも、この盛り上がる場面が私は大好きで、演者さんの激しい舞に時々「どん、どん」と足踏みする音、ノリノリのお囃子、「よっ」「はっ」という囃子方の掛け声、そこに地謡のコーラスが相まって繰り広げられる舞台。これぞ日本が世界に誇る総合芸術と思います。久しぶりにお能鑑賞して「そうそう、これが好きなんだよな。やっぱりお能はいいよなぁ~」と思ったのでした。しかし、今回は目を閉じてお囃子の演奏を聴いていると、思わずラテンのステップで踊りたくなったぞ(笑)意外と合うんじゃないかな(笑)

 

会場で色々とチラシをもらったのですが、その中にお能のアプリの紹介が。その名も「WeNoh!」英語対応もしているよう。さっそく家に帰ってダウンロードしてみましたが、これがかなりの優れものです。面白い!私は英語モードで見てみましたが、こんな風に説明するんだなと良い勉強にもなります。この他にも謡の練習ができる「スーパーうたい」、お囃子を体験できる「OHAYASHI sensei」なんていうアブリもあるのだとか。!

 

最近では英語字幕対応している能公演も増えてきているし、日本人だけでなく外国人にも能を知ってもらおうという色々な試みをされているよう。初心者向けのわかりやすい能公演やイベントもたくさん開催されています。お能は難しいというイメージを持たれがちですが、細かいことわからなくても、あの舞台の雰囲気を体験するのは面白いんじゃないかなと思います。世界無形遺産に認定された能楽。伝統の中に埋もれていくのでなく、どんどん新しい試みもされているのが頼もしい。新作能だったり、現代劇とのコラボレーションだったりもされているし。

 

そんな風に革新的なことをしつつも、能の伝統を守り伝えていこうと積極的に活動されてきた能楽師の一人が野村萬斎さん。イギリス留学されていたこともおありで、シェイクスピアを題材にした能公演もプロデュースされていました。日本の伝統文化だけでなく西洋文化もよくご存知。だからこそ日本文化の良さ、その独自性を伝えられるのではないかと思います。東京オリンピックの開閉会式の演出担当に抜擢されましたが、きっと日本の伝統芸能・文化の素晴らしさをしっかり世界に伝えてくれるんじゃないかと楽しみにしています。

 

ちなみに私がお能に嵌ったきっかけは萬斎さんの陰陽師でした。陰陽師といえば、羽生結弦選手のフリープログラムですっかり有名になりましたが、2人の共演はあるのか?なんて言われてますね。「それはお楽しみ」なんて言われてましたが、久しぶりに萬斎さんの陰陽師姿が見たい気もします。

 

ということで、ラテンダンスとはうって変わって、お能の話でした。ラテンもいいけど、日本の伝統芸能もいいぞ〜ということで(笑)