Lady Green's Diary

英語講師Lady Greenの日記

Ain't I a Woman?

記事のタイトルを見て、「この英語間違ってるんじゃ?」と思った方もいるかもしれません。正しくは、Aren't I a woman?となります。「私は女ではないのか?」という意味。am notの短縮形というのはないので、代わりにaren'tを使います。Am I not というのもあるけど。一方、スラング表現でain'tという表現があって、洋楽の歌詞など口語でよく見かけます。英語学習者が率先して使う必要はありませんが、洋楽や洋画、海外ドラマなどでは出てくるので、知っておいて損はない表現だと思います。

 

しかし、なぜこんなタイトルをつけたのか?実はこれ、私が大学生の頃に授業で用いたテキストのタイトルでした。当時と同じ版のものが見つからないので、新しいものをご紹介しておきます。 

Ain't I a Woman: Black Women and Feminism

Ain't I a Woman: Black Women and Feminism

 

  

なぜそんな大昔の本を思い出したのかというと、今読んでいるこちらの本が原因。

Hidden Figures: The Untold Story of the African American Women Who Helped Win the Space Race

Hidden Figures: The Untold Story of the African American Women Who Helped Win the Space Race

 

 

主人公の3人はみな黒人女性。舞台はアメリカ。まだ白人と黒人が隔離されている時代。黒人が就ける仕事は限られている。しかも、女性です。どんなに優秀であっても、まず黒人であるということ、さらに女性であるということで、才能を発揮する機会が与えられない。そんな彼女達にチャンスが巡って来たのは、第二次世界大戦中。男性達が戦争にかり出され、とにかく人出が必要。通常なら黒人にはあてがわれない、女性には機会が与えられないような仕事が巡ってきます。そのチャンスを掴んだのが彼女達。

 

この本を読みながら、当時のアメリカで黒人達が置かれていた状況、女性達が置かれていた状況、そして黒人女性達が置かれていた状況が見えてきます。そしてふと思い出したのが、上の本のこと。

 

黒人の人権について訴えかける時、「黒人」というのは「黒人男性」のことである。そして女性の権利について語られる時、「女性」というのは「白人女性」のことを指す。黒人女性はそのどちらからも取り残されている。本の内容はそんな黒人女性の立場について書かれたものでした。あまりに昔すぎてよく覚えてないのですが、Hidden Figuresを読みながらふと頭に浮かんだのでした。そして改めて調べてみると、実は、"Ain't I a Woman?"というのは演説のタイトルなのだということが判明。それについては、また次回に書いてみようと思います。

  

こうやって本を読んでいると、普段気付かないようなことに気付いたり、意識が向いたり、考えさせられることが沢山あります。そしてそこから派生してまた新しい興味がわいたり。今回読んでいる本も、とても興味深いです。心に残った表現なども、また少しづつ紹介してみたいと思います。