Lady Green's Diary

英語講師Lady Greenの日記

大学生は文法が苦手?

大学生の英語指導をしていて思ったのが、文法を苦手とする学生が実は多いということ。短期留学などで海外経験がありコミュニケーションは得意だったり、TOEICで600点700点位はとれても、ちょっと複雑な英文を読ませると内容を正確に理解することができない学生が多い。そういう学生を見ていると、英文を読むときに、単語を頼りにして文法はあまり深く考えず、なんとなくで理解していることが多いようです。文章の主語、述語動詞が何であるのかといった文章の構造を尋ねると、その辺りがあやふやなことが多いです。言い換えれば細かい文法は分からなくても単語が分かればある程度は意味が取れるということでもあるのですが。文法を理解するよりも単語を覚えることの方が簡単なので、学生にとっては取り組みやすいとも言えます。確かに語彙強化は重要だし、TOEIC対策でもまずは語彙強化をしていきます。しかしそれだけでは伸び悩む。TOEICのスコアもある程度のところで頭打ちしてしまいます。

 

定期テストで英文和訳の問題を出すのですが、文法がしっかり出来ている学生は、日本語訳もしっかりしたものが書けています。一方でなんとなく雰囲気で英語の意味をとっている学生は、日本語はそれなりにまとまっているのですが原文から全く離れた意味になってしまっていることもあります。本人はわかったつもりでいるのだけれども、実は分かっていない。もう一段上の英語力を身につけるためには、「実は読めていない」ということに本人が気づいて、きっちり読めるようにしようと意識して勉強をしていくこと。そうすれば、それをきっかけに変わっていくと思うのです。

 

文法が苦手と思っている人にとって、英文法の勉強は苦痛なのかもしれません。何からやればいいのか分からないという人も多そうです。分厚い英文法の本を買って一から読むのは大変です。なので文法学習が後回しになってしまう人も多いのでしょう。ただ、文法というのは一度わかってしまえば応用が利くので、単語を暗記するよりも実は効率の良い英語学習ではないかとも思います。一方で、あまり細かい文法を突き詰めてやると、時間もかかるし効率的的ではないので、まずは大切な文法から取り組んでいくのが良い。じゃあ大切な文法って何ということになります。

 

ということで、私が読解のクラスを教えていた時に、「まずここは理解して欲しい」と思って扱った項目を以下に紹介しておきます。

 

品詞

文型(いわゆる5文型)

時制

分詞(現在分詞、過去分詞、さらには分詞構文)

不定

関係代名詞

態(能動態、受動態)

接続詞

 

これらのポイントを授業の中でちょっとずつ小出しにして説明していきました。英文記事を読んでいると大体同じような文法ポイントが繰り返し何度も出てくるので、その時すぐに理解ができなくても徐々にわかるようになっていけばOKだと思います。ただなんとなく漫然と読んでいるといつまでたっても苦手なものは苦手なままになってしまうので、文法書を参考にしながら苦手を克服していく努力は必要かなと思います。関係代名詞の用法がよくわかっていないという学生が意外と多い。しかし、これがわからないと文章の主語述語がわからなくなってしまうので、必ず押さえておきたいポイントです。同じ理由で分詞の用法も大切。形容詞として使われている現在分詞を文章の動詞と捉えてしまう学生もよくいました。英語の文章というのは基本的に主語と動詞の繰り返しで成り立っています。ただ、文章の中に文章が組み込まれていたり(例えば文章の中のthat節、関係代名詞節など)、接続詞で二つの文章がつながっていたり、文章が複雑になってくると何がどうなっているのか分からなくなってしまうようです。これは何も大学生に限らず、企業研修で大人の生徒さん相手に指導している時にも同じようなことがあります。

 

とにかくまず文章の主語、そして述語が何なのかを把握することが大切。そのためには、品詞、分詞の用法、関係代名詞、接続詞の使い方といったことが必要になってくるわけです。さらにそこに時制や態というのも加わってきます。でも、時制や態というのは、基本的なことでありながら実は非常に奥の深いものでもあるので、最初の段階であまり深追いしない方が良いかもしれません。それに、読解よりも、どちらかと言うと英作文の時に力を発揮するポイントでもあります。

 

英文法ってとても大切なのだけれども苦手な人も多く、勉強を始めて途中で挫折してしまう人もいると思います。文法用語が苦手という人もいますね。完璧主義な人も挫折しやすいかもしれません。最初から100%理解することなどできないのだから、「そのうちわかるようになる」というような多少のいい加減さが文法学習には大切ではないかなと私は思います。でも、ずっと避けては通れないので、どこかでちゃんと取り組むべし、です。