Lady Green's Diary

英語講師Lady Greenの日記

読書とか映画とか

大学の授業終わって、のんびりモードの毎日です。そんな時こそ、と読書や映画を楽しむ日々を送っています。最近Amazonプライムに復帰したので、プライムリーディングやプライムビデオ、プライムミュージック、せっかくなので利用しなくちゃもったいないです!読書は実用書ばかりですがもう既に5、6冊ぐらい読んでしまいました。でも、日本語の本ばっかりで、今年はまだ洋書は一冊も読んでないなー。実はブッククラブの課題本も日本人作家の作品だったりします。

 

砂の器(上) (新潮文庫)

砂の器(上) (新潮文庫)

  • 作者:松本 清張
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2011/09/09
  • メディア: Kindle
 
砂の器(下) (新潮文庫)

砂の器(下) (新潮文庫)

  • 作者:松本 清張
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2011/09/09
  • メディア: Kindle
 

 

松本清張の作品、実は読むの初めてでした。映画やドラマにもなっている超有名な作品ですよね。捜査の方法など読んでいて時代を感じさせられます。今ならインターネットですぐに検索できる情報も、昔は本や雑誌などアナログな方法で調べるしかなかったんですよね。不便とも言えるのでしょうが、だからこその面白さというのもあるという気がします。文庫本で上下巻の2冊。最初は結構長いなあと思いましたが、すぐに読み終えてしまいました。やっぱり日本語の方が早いです。

 

大人になってからはあまりミステリーを読まなくなってしまいましたが、そういえば、昔はミステリー好きでよく読んでいたなぁと懐かしく思い出しました。小学生の頃はシャーロック・ホームズ、中学生の頃は明智小五郎、大学生の頃にはアガサ・クリスティにはまっていた記憶があります。学校の図書館で本を借りてせっせと読んでいました。シャーロック・ホームズなんて、小学生には結構怖かったんですけれど、よく読んでたなぁ。本の表紙も写実的でリアルで、「怖い~」と思いつつ読んでました。その後装丁が変わって、怖くなくなっちゃたんだけどちょっと残念。あの怖い表紙が実は良かったのに(笑)芸術性も高かった気がするぞ。ちなみに初めての松本清張、そして久しぶりのミステリーはなかなか面白かったので、これを機にまたミステリーを読んでみようかなぁなどと思っています。

 

そして最近見た映画。

 

ワンダー 君は太陽 [DVD]

ワンダー 君は太陽 [DVD]

  • 出版社/メーカー: Happinet
  • 発売日: 2018/11/16
  • メディア: DVD
 

 

書籍の映画化作品ですね。本の方も話題になっていたようですが、私は未読です。映画はなかなか良かったです。母親役のジュリア・ロバーツ、最初にパッと見た時は「やっぱりちょっと歳取ったかな」なんて失礼ながら思ってしまったのですが、見ているとだんだん「こんなお母さんかっこいいよなぁ」と思わされました。私もこんな風にかっこよく歳を取りたい!ちなみに回想シーンに出てくるお婆さんも素敵だったなあ。自分が歳をとるにつれて、年上のかっこいい女性、素敵な女性に目がいくようになりますね。

 

さてこの映画、主人公は外見に障害を持つ少年で、彼がその障害をどう克服していくかということが主題になっているのですが、この映画の良かったところは主人公の少年だけでなく周りの色々な人物の視点からも物語をとらえていること。こういうテーマの作品って、ついつい主人公視点で「障害に負けずに苦難を乗り越える」感動話のように描かれてしまうことも多いと思うのですが、視点を変えて見てみると物語には違う側面が見えてきます。

 

例えば、障害のためにクラスの中にうまく馴染めず、クラスメイトからのいじめにもあって部屋に閉じこもる弟に、姉は「人間関係で悩むのはあなただけではない、みんなだって同じように学校生活でいろんなことに悩んでいるんだ」と言う。実は、彼女には彼女自身の苦悩があり、苦しみがあり、弟中心で回る家の中で、寂しさや居場所のなさも感じている。視点を変えて見てみると、主人公がちょっとわがままな男の子にも見えてきてしまう。それでも、弟のために最後にはちゃんと手を差し伸べてあげる彼女に、弟への愛や優しさを感じて温かい気持ちになります。

 

さらにはお姉さんの友人、主人公のクラスメイトといった別の人物からの物語も語られます。そんな風に、視点を変えることで一つの物語に奥行が生まれて行きます。物事にはいろんな側面がある。関わる人達それぞれに苦悩があり物語がある。主人公の少年を中心に据えながらも、少年の成長の物語だけに終始していないところが良い。

 

外見の障害というある意味で分かりやすい苦悩を主人公に与えて、障害を乗り越えて自分らしく輝いていくというストーリーを際立たせているけれども、人は誰しもが何らしかの「悩み」を持って生きている。主人公の顔の傷は、人が持つ悩みやコンプレックスの一つの象徴なのかもしれません。人生で何か困難に出会った時、その原因を「顔の傷」に求めてしまいそうになるのだけれど、そして実際にそれが原因のこともあるのだろうけれど、でも実は顔の傷以上に、「自分には○○なんて無理なんだ」「自分はどうせ○○なんだ」という思い込みが足かせになっていることもある。たとえ傷があったとしても、それだけでその人の全てが決まってしまうわけではない。その人ならではの良さや才能が必ずあり、それを発揮して行くことで、その人らしく輝いていくこともできる。映画の最後、主人公の言った言葉に、「誰だってそんなふうに輝いていい」というメッセージが込められているような気がしました。

 

しばらくこんな感じでノンビリ過ごそうかなと思っているので、また読書や映画のレビューも書こうかなぁと思います。