Lady Green's Diary

英語講師Lady Greenの日記

ブック・ディスカッション~The Alchemist~

先日は生徒さんとのブックディスカッション。課題本はパウロ・コエーリョの『アルケミスト』でした。

The Alchemist

The Alchemist

 

 

 

実は私はこの本を読むのは3回目。初めて読んだときは日本語で、そしてその後に英語で再読し、今回ブック ディスカッションのために再び英語で読みました。ちなみに原書はポルトガル語です。どちらにしろ原書では読めないので、日本語で読んでも英語で読んでもいいという気がしますが、シンプルな英語で書かれているので、英語学習者には是非英語で読んでみて欲しい。 英語はシンプルですが書かれている内容はとても深いです。私も3回目に読んでみてまた新しい発見がありました。良い本というのは読み返す度に新しい気付きがあるように思います。

 

ストーリーはとてもシンプルです。羊飼いの少年が夢の啓示に従って宝探しの旅に出る。King of Salemと名乗る不思議な老人や、錬金術師(アルケミスト)の助けを得て、少年は自分の夢を叶える旅に出るのです。所々でとても印象的な言葉が出てきます。 ファンタジーでもあるのですが同時にちょっとスピリチュアルな内容でもあります。そういうのが苦手な人には向かないかもしれませんが、普遍的なテーマを扱った内容だとも思います。 

 

作中で私が気になった表現をいくつか紹介してみます。

 

錬金術をマスターしようとして失敗に終わる人たちについてアルケミストが言います。

They were looking only for gold. They were seeking the treasure of their Personal Legend, without wanting actually to live out the Personal Legend.

彼らは金だけを探していたのだ。 夢の宝を求めていたが、自分の夢を実際に生きようとしていなかった。

 

物語の大きなテーマは Personal Legendを生きるということ。この Personal Legendというのは何なのか。 直訳すると「個人の伝説」ということになりますが、物語の中の言葉などから解釈すると「夢」ということなのかなと思います。もしくは「使命」と言っても良いのかも。上の文章、とてもシンプルな表現で難しい単語は何一つ出てきません。でも、この文章が伝えようとしていることは何なのだろうか?そんな風に考えるととても深いメッセージがあるように思います。

 

今回3回目に読んで、錬金術(alchemy) というのは一体何なのかということを改めて考えさせられました。 鉛を金に変えるというのはどういうことなのか。 なぜこの本のタイトルがアルケミストなのか。 1度目2度目に読んだ時にはあまり考えなかったことです。

 

They (Alchemists) show that, when we strive to become better than we are, everything around us becomes better, too. 

錬金術師は教えてくれる。私たちがより良い存在になろうと努力する時、私たちのまわりの全てもまた、より良いものに変わるのだということを。 

 

これもまたとてもシンプルな表現ですが、伝えようとしているメッセージはとても深いと思います。この言葉をどう解釈するのか、この物語を通して作者が伝えようとしていることは何なのか、自分の夢を生きるというのはどういうことなのか、そんな話を作中の文章を引用しつつ生徒さん達と色々とお話することができました。goldを手に入れるという結果よりも、その過程で自分が成長し、そしてそれが周囲の人たちも変えていく。それがalchemyなのかなと思います。手にするのは金という宝ではなくて、成長した新しい自分自身なのではないかな。

 

自分がやりたいこと、叶えたい夢があるのになかなか一歩が踏み出せないという人の背中を押してくれる、そして一歩を踏み出して夢のために頑張っている人を励ましてくれる物語です。おすすめの本なのでまだ読まれたことがない方は是非一読してみてくださいね。

 

今回でブック・ディスカッション2回目でしたが、参加してくださった生徒さんたちも楽しんでくださったようで、また違う本についてディスカッションしようということになりました。あれこれと悩んだ結果、次回の本はこちらに決定。

 

  

 

かなり有名な作品で映画にもなっていますし、ドラマにもなっています。なのでストーリーを知っている人は多いと思いますが、あえて英語の原書で読んでみることをおすすめしたい。原書ならではの気づきがあると思います。本を読むのに少し時間が欲しいということで、次回のブックディスカッションは5月に開催予定です。5月は私が参加している英語のBookclubもあるので、私はまずはそちらの本を読まなきゃいけない。忙しいですが、こうして本について語り合えるのは楽しいので、私もがんばって読んでいきたいと思います。

 

ちなみに来週木曜日は音読トレーニングを開催します。先月に引き続きTED Talkを使った音読+ディスカッション。お申込み受付中なので、是非ご参加下さい!

 

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