Lady Green's Diary

英語講師Lady Greenの日記

神戸大の入試問題を解いてみました

大学で英文読解の指導をしていると、学生が主語・動詞といった文の構造を捉えられていないことが多々あります。文章を理解する上で重要なポイントなので、ここが出来るようにと指導するわけですが、その際にポイントとなることの1つが文中のコンマの使い方だったりします。

 

先日、新聞に掲載されていた神戸大学の試験問題を読んでいたら、そんなコンマの使い方がポイントとなる文章が冒頭から出てきました。これはいいや!ということで、今日はちょっとそれを例にあげてコンマについて見てみたいと思います。まずは、以下の文章、文の構造を考えながら読んでみて下さい。主語・動詞はどうなってるだろう?

 

The researchers — Oliver M. O'Reilly, a professor of mechanical engineering, and Christine E. Gregg and Christopher A. Daily-Diamond, students who are pursuing a Ph. D. in mechanical engineering — reported that the force of your foot striking the ground and the motion of your leg combine to help loosen and ultimately untie the knot of your shoelaces.

 

 

詳しい意味はさておき、主語・動詞がわかりましたか?そして文中のコンマがどう使われているかわかったでしょうか?これがちゃんと取れないと、文章の意味も正しく取れません。そして実際、多くの学生が、単語だけを頼りに読もうとして失敗します。でも逆に、文構造がわかれば知らない単語が多少あっても文章の意味がわかってきます。

 

ということで、コンマの役割りを見てみましょう。英語のコンマは小休止、「ちょっと止まれ」ということなのですが、今回の文では名詞の後に来て、その名詞に説明を加える役割を果たしています。挿入句のような役割です。, …, とコンマ2つでくくってることも多いです。この形でコンマがあれば多くの場合挿入句。TOEICの長文でもよく見かけます。新聞記事にも多いです。前に紹介した羽生選手の英文記事にも出ていました。慣れてないと読んでいて文構造を見失うんですが、慣れれば何てことありません。長文だって怖くない!

 

今回の文章ではこのコンマの挿入に加えて―(ダッシュ)による挿入もあるのでさらにややこしくなっています。―(ダッシュ)も同じように前の単語の説明を挿入する時によく使われます。ここではThe researchersの説明が―(ダッシュ)2つでくくられています。「研究者」というのが一体どんな人達かというと以下の人達、と実名が挙げられています。1人目はOliver M. O'Reillyさん。この人がどんな人かという説明が, (コンマ)の後、a professor of mechancal engineering 。そして Christine E. Gregg and  Christopher A. Daily-Diamond という2人の人の名前も挙げられています。さらにその後の, (コンマ)で説明があります。students who are pursuing a Ph.D. in mechanical engineeringの部分。この2人が博士課程の生徒だとわかります。まとめると、この研究に携わったのは3人の人物。1人は教授であと2人は学生。この部分が、あとで出てくる正誤問題のキーポイントにもなってました。この形をちゃんと取れているかということが試されているわけですね。整理できたでしょうか?

 

さて、ここまで読んできてわかったと思いますが、この文章の主語はthe researchersです。1つ目の―(ダッシュ)から2つ目の―(ダッシュ)までがそのthe researchersの説明。そしてその後にあるreported、これが文章の動詞になっています。主語と動詞がめちゃくちゃ離れているので、読んでいて何が主語だったか忘れそうになっちゃいます!でも、こういう主語と動詞の間の挿入句って英文ではよく出てくるんです。

 

さて、ここまで読んだら次はreportした内容です。研究でどんなことがわかったんでしょうか?that以下がreportの目的語として文章になっていますが、試験問題ではこの部分を和訳せよとなっています。ここでまた主語・動詞を考えなきゃいけません。もうコンマは出てきません。今度はandの使い方がキーになっています。andは何をつないでるのかな?ということを考えて、先程の文章をもう1度読んでみて下さい!

 

さて、この先は次回の記事で解説します。それまでにちょっと考えてみて下さいね。

 

では、See you!