大学や企業でのレッスンの他に、オンライン、オフラインで個人レッスンもしていてます。マンツーマンレッスンの場合は生徒さんそれぞれの要望や目標をお伺いした上でレッスンの内容を決めていくので、使用するテキストやレッスンの内容は様々です。同じテキストを使っても相手によってフォーカスするポイントが変わってきます。一つの教材を使っていろんなバリエーションのレッスンがあるわけです。
例えばTOEIC問題集を使ったレッスン。TOEICの教材といえばやはりTOEIC対策なんだろうなという風に思われますよね。でも、実はTOEICを受ける気はないという方でもTOEICの教材を使って授業するということがあります。個人レッスンはもちろん、企業での英語研修でもそんなことがありました。なぜかといえばTOEICの英語はビジネス英語の宝庫だから。スコアアップしたいと言うのでなくても、「ビジネス英語を勉強したい」「仕事で使える英語表現を学びたい」となると、じゃあTOEIC教材使ってみましょうかということがあるのです。
ではどんな風に使えるのか。Part3の会話文を取り上げてちょっとご紹介してみます。ちなみにビジネスで英語を使うという人だけではなくて、日常会話で使える英語の表現もたくさん含んでいますのでご参考にしてみてください。
公式問題集Vol.6から、Part3の会話文を一部抜粋してみます。
- 作者: Educational Testing Service
- 出版社/メーカー: 国際ビジネスコミュニケーション協会
- 発売日: 2014/11/12
- メディア: 大型本
- この商品を含むブログ (9件) を見る
A: Thank you for offering to take care of the flower shop while I'm out of town. Just remember to change the flower display in the window every day.
B: I just have one question about the paperwork from the flower deliveries. Where do you want me to file the invoices?
A: Just leave them on the desk in the back office, and I'll take care of them when I get back.
途中はしょってる部分があるので、ちょっと会話が繋がりにくいかもしれませんが、自分の代わりにお店(花屋)を見ててくれるという人に、仕事説明をするという内容です。
to不定詞を使った色んな表現が出てきます。 to+動詞で「〜すること」という名詞の使い方です。最初にoffer to 〜で「~することを申し出る」というように使われています。これは、Thank you for ~「~してくれてありがとう」という表現も合わせて覚えておきたい。それから次にremember to〜で「〜することを覚えておく」、つまり「忘れずに~する」という意味です。これは、remember ~ing「~したことを覚えている」という表現とごっちゃにする人が多いので、文章で覚えてしまうとわかりやすい。
そしてもうひとつto不定詞が出てきます。Where do you want me to file the invoices? 直訳すると「私にどこに送り状を保管してほしいですか」という意味になりますが、こういう形でwant+人+to~で使えば相手の意向を尋ねる表現となります。ここでは文頭にwhereという疑問詞を使っていますが、例えばこれをwhatに置き換えてみたり、色んなバリエーションが可能。YesNo疑問文の形にしてDo you want me to…?「~しましょうか?」と、何かを申し出る表現としても使えます。Would you like me to…?とすればより丁寧な表現になるので、誰に話しかけているか、どんな内容かによって使い分ければ良い。お店のスタッフがお客さんに話しかけるような時にはWould you like me to...?の表現がよく出てきます。TOEICでも頻出表現です。
さて、もう一つチェックしたい表現があります。この会話の中で同じフレーズが2回出てきていますが気づきましたか?最初の文章と最後の文章に出てきています。take care of という表現です。決して難しい単語ではないので、ご存知の方が多いのではないかなと思います。でも、実際に会話の際にはパッと出てこない表現ではないでしょうか。辞書を引くと「面倒を見る」と書かれています。一つ目のセリフでは花屋の面倒を見る、二度目のセリフでは送り状の面倒を見る、ということになるわけですが、直訳するとちょっと不自然に聞こえます。でも英語ではどちらの場面でもこの表現が使えるわけです。人であってもお店であっても物であっても、そのケアをするということ。「お店の面倒を見る」、つまりは「店番をする」、「送り状のケアをする」、つまりは「送り状を片付ける・処理する」という意味。かなり幅広く使える表現なので、こういう表現を一つ覚えていると、いろんな場面で便利に使い回しができます。
こんな感じで、TOEICには会話で使える表現がたくさん出てきます。単にスコアアップのためだけと思って勉強をするにはもったいないと思います。使える表現がないかなーと探すような気持ちで英文を見て見ると、ただのテスト勉強を超えた英語力アップのとても良い教材になるのではないかなと思います。