Lady Green's Diary

英語講師Lady Greenの日記

オスカー受賞おめでとう!

映画『ボヘミアン・ラプソディー』でフレディ役を演じられたラミ・マレックさんが主演男優賞を獲得されたとのこと。おめでとうございます!正直、映画を見ていて最初は「フレディにしてはちょっと小柄かな?」という気がしたんですが、ライブでのパフォーマンスも含めフレディの動きの特徴など物凄く研究して演じられたのだとか。まさに熱演でしたね!他のQUEENのメンバーを演じた役者さん達も、役が決まってから楽器の猛練習をしたそうです。役者さんって凄いなぁと思います。フレディ・マーキュリーという伝説的な人物を演じるのは、凄くプレッシャーもあっただろうと思いますが、それをはねのけての熱演、オスカー受賞。受賞スピーチでも語ってますが、彼自身も移民なんですね。フレディが抱えていた葛藤に共感できる部分も多かったのだろうなと思います。

 

映画を見て以来、QUEENの音楽はもちろんですが、改めてフレディのインタビューを見てみたり、彼のルーツをたどってみたりしています。フレディが亡くなった後に、メンバーがテレビ出演した時のインタビューがあったりして。ステージ上ではカリスマ的な存在感を放っていたフレディですが、普段はとてもshyな人だったとか。インタビュー見ていると、確かにそんな感じがします。でも、ユーモアのセンスがあってインテリジェントな感じもあります。魅力的な人ですね。

 

今はLGBTという言葉が色んなところで聞かれるし、日本でも認識されるようになっている。同性婚が認められる国もある。今でも差別や偏見はあるけれど、当時は今よりももっとそういったことが強かったはず。映画の中でも記者からセクシュアリティについて聞かれるシーンがあるし、彼自身、自分のセクシュアリティについて色々と葛藤があったことが映画でも描かれています。実はエイズで亡くなった後も彼のプライベートについて色々なことが雑誌などに書かれたようで、私がたまたま見つけたメンバーのインタビューは、そういった中で「事実でないことばかりが書かれている」ことに堪りかねてメディアに出演した時のものだったよう。フレディはいつも自分の行動に責任を持って(responsibleで)いたし、どうするかどうしたいか自分で決めて行動していた。病気のことも多くは語りたがらず、「同情でCDを買ってもらいたくない」からと公表もしなかった。バンドメンバーとして仲間ではあったけれど、彼らにとってもどこかmysteryな部分があって、プライベートなことはあまり語りがらなかったよう。インタビューの最後に、「エイズは同性愛者や麻薬常用者の病気にように思われているけれど、決してそうではなくて、これは我々みんなの問題だ」とメンバーが訴えかけていたのが印象的でした。

 

当時と今とでは病気を取り巻く環境も、LGBTにたいする認識も(LGBTという言葉すら当時はまだなかったと思う)随分と変わっている気がしますが、移民の問題も含めて、今も変わらず私たちが抱える課題とも言える。

 

先にあげたインタビューの中で、司会者の女性が「私たちはフレディ・マーキュリーというカリスマ的な存在がどこからやってきたかを知りたいのだ」と繰り返し言っていたけれど、フレディのカリスマ性は、彼がパキスタン移民だったから、バイセクシャルであったから生まれたものなのかどうかはわからない。ただ、フレディ・マーキュリーというカリスマ性を持った偉大なミュージシャンが、たまたまパキスタン移民であり、バイセクシャルであっただけかもしれねい。でも、そういった彼のバックグラウンドが、ちょうど今の時代に上手くフィットしているとも言える気がします。

 

映画『ボヘミアン・ラプソディー』がたくさんの人の心に訴えかけるのは、これがフレディ・マーキュリーという一人の人間の、アイデンティティを求め、愛を求め、葛藤を超えて、自分らしい生き方を見つけていく物語だから。そこに普遍的なテーマがある。そしてその物語が、彼の歌声とQUEENの音楽という、これまた普遍的なものに乗って語られる。

 

映画を通して彼から受け取るメッセージは、「人がどう思うか・どう言うか」ではなく、「自分がどうありたいか」という自分の心に従って生きること。自分の生き方は、自分が決める。そして、彼は最後までその通りに生きた。そのことに、私も含め、見る人はみんな勇気づけられ、感動するのだと思う。

 

この映画はドキュメンタリーではなく、事実を元にしたフィクションという位置づけのよう。実際、病気のことを告げるタイミングなど、実際とは違うところもあるようなので、その辺りは差し引いて見ないといけません。映画の物語と、実際のフレディの物、そして今も新しいメンバーを迎えて活動しているQUEENの物語。まだまだ嵌れる(笑)フレディのいたQUEENのライブに一度行ってみたかったなぁと思うけれど、それは実現しない願いなので、映像や音源だけで我慢するとします。

 

今日のBGMはこの曲。歌詞が切ない。これは彼の思いがそのまま歌われているのかな?

 

 

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