Lady Green's Diary

英語講師Lady Greenの日記

映画『RESPECT』を見て感じたこと

久ぶりに映画館に行ってきました。見たのは『リスペクト』という映画。ソウルの女王アレサ・フランクリンの伝記映画です。見たいなぁと思っていたところ、たまたま予定が空いて時間が出来たので「そうだ映画に行こう」と思い立って出かけて行ったのでした。映画を見に行くのは『ボヘミアン・ラプソディー』以来。またしてもミュージシャンの伝記って感じですが、音楽好きだし、それにこういう音楽映画は映画館で鑑賞した方が音楽のパワーもより一層感じられて良いかなぁと思うのです。やっぱり家のPCで見るのとは迫力が違う!

 


www.youtube.com

 

以下、若干ネタバレありの感想です。

 

アレサを演じたのは『ドリームガールズ』のジェニファー・ハドソンです。あの時も圧倒的な歌唱力と存在感で主役のビヨンセよりもインパクト強く、すっかりファンになってしまっていたので、今回も期待たっぷりに見に行きました。そして、その期待を裏切らない素晴らしい歌唱!!!やっぱりこの人の歌は凄いわ。

 

音楽の素晴らしさはもちろんなのですが、一人の女性として自分らしく生きることを模索し、自分の信念に従って生きることを選ぶ、そんなアレサの生き方に勇気と元気をもらえました。時代はまさに公民権運動の真っ只中。アレサの父親が牧師であったこともあってキング牧師とも交流があり、その時代の背景も描かれているのがまた興味深い。キング牧師の葬儀での歌唱も素晴らしかった!私はつい泣いてしまいました。それ位に彼女の歌声には心を揺さぶるものがある。

 

人種の問題も描かれているのだけれど、私が受けた印象は「黒人として」というよりも「女性として」の苦悩でした。子供の頃から歌の才能を発揮していたアレサを、父親は歌手としてデビューさせようとするのですが、自分の思う通りにさせたいという思いが強くてどこか支配的。それに対してアレサも反発し、父の反対を押し切って結婚して家を出るのだけれど、夫もまた支配的な人でアレサを束縛する。せっかくのチャンスを夫によってつぶされそうになったり、自分勝手で支配的な男に見ていて腹が立ちます。せっかくの彼女の才能をどうして邪魔するんだ!と。でも、そんな中で、自由を求めて藻掻き、自分らしい歌、自分の声を見つけて才能を開花していき、自分の心に従い信念に従い生きることを決意するその過程に、同じ女性として勇気をもらえるのです。そうだ、負けてちゃだめだ。人の言いなりに生きるのではなく、自分の人生は自分で決めるんだ!と背中を押してもらえる。

 

映画のワンシーンで、アレサのファンという女性が彼女に話しかけてこんな風に言います。「一言だけ言わせて。あなたの歌を聞くとまるで自分のことが歌われているように感じる。人生辛いことも多いけど、励まされるわ。」彼女の歌にはそんな力がある。私も彼女の歌を聞きながら、歌詞を聞きながら、自分も強く生きよう!という気持ちになりました。

 

ライブシーンやレコーディングのシーンなど、歌のシーンはたくさんあるのだけれど、やっぱり一番印象に残ったのは映画のタイトルにもなっている「リスペクト」という曲でしょうか。黒人として、女性として、一人の人間として、それぞれの立場で、自分が不当に扱われていると感じた時、「リスペクトが欲しい」と感じることは誰にでもあることじゃないかと思う。なので、きっと誰にとっても共感できる部分があるんじゃないだろうか。

 

映画を見ていてひとつだけ残念だったこと。最後の教会での歌唱シーン。これも本当に感動的で胸にグッとくる場面。そのシーンにかぶさって、アレサのその後の功績が字幕で紹介されていくのだけれど、字幕を読むことに気を取られて、ジェニファー・ハドソンの歌をじっくり堪能できなかった。歌を聞きたい、でも字幕も読まなきゃ、という感じ。それでもやっぱり聞きながら涙がこぼれたのだけれど、本当はもっとじっくり堪能して聞きたかったなぁと思います。そこだけが残念でした。最後のシーンもう1回見たい!

 

最後のエンドロールで、アレサ本人の歌唱シーンが流れたのも印象的。アレサ・フランクリンに敬意(リスペクト)を表してということでしょう。そういう演出も良かったです。この映画、アレサ本人にも見てもらいたかったという気がします。自分の役を演じるのはジェニファー・ハドソンに、と自らオファーしたのだとか。期待に応え見事演じきった彼女に、きっとアレサも喜んだに違いない。そして、やはりアレサ・フランクリンの歌声も、映画のジェニファー・ハドソンの歌声と同様に聞く人の心を揺さぶる。

 


www.youtube.com

 

久しぶりの映画鑑賞、とっても堪能できました。やっぱり家で見るのとは違う良さがあります。また時間見つけて映画館に足を運びたいと思います。

 

しばらくはジェニファー・ハドソンアレサ・フランクリンの歌声をYouTubeヘビーローテーションしておこうと思います。『ボヘミアン・ラプソディー』の時といっしょ笑。映画見た後ってそんな感じです。まだまだ余韻に浸っておこうと思います。