Lady Green's Diary

英語講師Lady Greenの日記

大学生の英語によくある間違い

大学の中間テストが無事に終わりました。毎度のことながら学生の珍解答に爆笑しながら採点をし、同時に、期末に向けてテコ入れしなきゃなぁと頭を抱えていたりもします。そんな中、新しい企業研修案件の打診があったり、単発のレッスンの依頼があったり。スケジューリングに頭を悩ませて、長いお付き合いのエージェントさんの仕事を優先させてペイの良い単発での仕事を見送ったら、優先した案件が立ち消えになったり。こういうのは先の予測を出来るものではないので、仕方ないですね・・・。

 

さて、話は変わって大学生の書く英語について。私が教えるのは主に読解のクラスですが、学生の英文を添削することも度々あります。そんな中で目に付く「よくある共通の間違い」のひとつがbecasueの使い方です。ちょうどテストの採点をしながら読んでいた英文法の本に、全く同じことが書かれていました。 

実践 日本人の英語 (岩波新書)

実践 日本人の英語 (岩波新書)

 

 著者のマーク・ピーターセン氏は、数多くの大学生の英文を見てこられていつも同じような間違いに出くわすとのこと。私はそこまで多くの学生を見てきていませんが、それでもよく出くわす。ということは、かなりの数の学生が間違えて使っているということですよね。

 

どういうものかというと、becauseで始まる文章を単独で使うこと。例えば、Because I like to travel abroad. というような文章。becauseで始まりピリオドで終わっています。しかし、こういうbecauseの使い方は出来ないのです。becauseは接続詞なので、二つの文章をつなぐ役割を果たします。becasueだけでは文章は成立しないのです。「~なので・・・です」という二つのセンテンスをbecauseでつなぐというのが正しい使い方。ですが、学生の多くはその二つのセンテンスを別々に独立させて英文を書いてきたりします。I am studying English. Because  I want to live in America in the future. といった具合です。この現象について、ピーターセン氏は、日本の中高の英語教育でコミュニケーションが重視されるようになったことも要因だろうか?と書かれていますが、確かに会話においてはbecauseだけの文章はよく使います。Why are you studying English? -Becasue I want to live in America someday.というのは会話としてはごく自然。

 

書き言葉と話し言葉は同じではないのですが、その違いまで意識するというのは学習の初期段階ではなかなか難しいですね。しかし、もはや大学生となったら「学習の初期段階」ではないので、そういったこともちゃんと意識してもらいたいところ。ということで、さっそく授業で学生達に「これは間違いだよ!」と話しておきました。次から同じ間違いをしないようにと思いますが、たぶん聞いてない学生もいると思うので、また同じ英語に出会うかもしれません(笑)

 

この本には他にもよくある間違いが紹介されていて、その都度「あるある」と頷きながら読みました。中には私自身も気をつけなきゃというものも含まれます。ピーターセンさんと言えば『日本人の英語』が有名で、私も学生時代に読んで、つい最近も読み返して「日本人の間違いのツボをよくご存じだな」と改めて普遍性を確認したところ。

日本人の英語 (岩波新書)

日本人の英語 (岩波新書)

 

 

 『実践 日本人の英語』は比較的新しいものですが、こちらの方がより初心者向けの内容となっています。『日本人の英語』は上級向けですが、こちらはまだ取っつきやすいので、著者の言う「子供っぽい英語」を脱出して「大人の英語」を書けるように目指すには、非常に参考になると思います。