Lady Green's Diary

英語講師Lady Greenの日記

コロナ騒動の中で思うこと

オリンピックの延期が決定してから感染者が急増していますね。東京ほどではないにしても、大阪でも感染者数は増えていますし外出自粛令も出ています。私は最近は外での仕事はしていないのであまり外に出かける機会はありませんが、先日は通院のために久しぶりに電車に乗って出かけてきました。混雑時ではなかったのですが、それでもなんとなく電車に乗るのはちょっとドキドキしました。
 
自分自身の体調のこともあって、今年度は大学の授業をことごとくお断りしていたのですが、ちらほらと耳にする話から、どの大学も対応に苦慮していることが伺えます。
毎年お引き受けしていた春のエクステンション講座はキャンセルになったと聞いたし、別大学では授業開始をゴールデンウィーク明けの5月に遅らせていたり、オンライン授業を推進していたり。本来なら私も今頃は、初めての経験にあたふたしているところだったのかもしれませんが、今はそんな状況を外から眺めているような感じです。ただ、5月6月と短期のエクステンション講座をお引き受けしているので、そちらの開講がどうなるのかは気になるところ。正規の授業と違ってエクステンション講座はキャンセルになる可能性が高いような気もします。正直、開講するのが良いのかキャンセルになるのが良いのか私自身もよく分かりません。ビジネス的に考えれば開講するほうが当然良いのですが、感染拡大の阻止という風に考えると、なくなる方が良いのかもとも思います。
そういったジレンマを数多くの人がいま感じているのだろうと思います。
 
昨年度教えていた学生たちの中にはこの春卒業の生徒もたくさんいて、卒業式がキャンセルになったという話に、仕方がないとはいえ心が痛みます。振袖や袴など楽しみにしていた学生もいたでしょう。私自身大学の卒業式はとても良い思い出になっているので、それがなくなるのは非常に寂しいことだろうと思います。そして4月から始まる新生活。それを今のような混乱した状況の中でスタートしないといけないのは、不安なのではないかと思います。おそらく誰もが不安な気持ちでいると思うのですが、こんな時期に社会人としての第一歩を踏み出すことになった教え子たちのことを思うと複雑な気持ちになります。とはいえ私が彼ら彼女らのためにできることはもはや何もなく、頑張って乗り越えて行ってくれることを祈るばかりです。
 
一方で私の方は、タイミングというのは不思議なもので、昨年の11月に乳がんの再発が発覚し、それに伴って一人暮らしのマンションを引き払い実家に戻ってきていたこと、
大学の仕事を一旦ゼロにしていたことで、私自身は大きな影響を受けることなく比較的平和な日々を送っています。ホルモン治療の影響もあって常に体のだるさはあり、体調良好とは言えませんが、仕事をあまり入れていないのでそのぶんゆっくりとさせてもらっています。新型コロナウイルスで社会のあり方が大きく揺らいでいるなか、当たり前が決して当たり前ではないということ、普通の日常を送れることがいかにありがたいことであったのか痛感しています。
 
世の中には自分の力で変えられるものと変えられないものとがある。出来ることと出来ないこととがある。こんな時だからこそ、「いま自分にできることは何なのか」を考え、場合によっては今だからできることを見つけていくことも必要なのかもしれない。
これまで通りということは不可能だけれども、変化に抗うのではなく受け入れて、その中でできること、場合によっては新しい可能性を見つけていくきっかけになるのかもしれません。もしかして社会の在り方や価値観が大きく変化していくかもしれません。
不安や恐怖から行動するのではなく、少し落ち着いて今するべきことをできるようでありたいと思います。そして、こんな時だからこそ、争い合うのではなく助け合うことをしていきたい。
 
ニュースを見ているとネガティブな情報ばかりが入ってきますが、そういった不安にさせるようなニュースから少し距離を置いて日々を過ごしてみると、また何か違うものが見えてきそうな気もします。social distancingということで身体的な距離は取らなければいけませんが、心の距離は近づくかもしれません。なんとなく不安でそわそわする時、しばらく会っていなかった誰かにふと連絡を取ってみたくなったり。外出を控えて家にいることで、家族と過ごす時間が増えるかもしれない。
 
そして、人間たちが活動を自粛する中で、自然界が息を吹き返しつつあるのかもしれない。海外でロックダウンされている町に住んでいる人が、空気がどんどん綺麗になっているのを感じるという風に話しているのを聞きました。経済的利益のために散々環境を汚染してきた人間たちが、ウィルスによって強制的にその活動を停止させられ人間社会にとっては大きなダメージとなっていますが、他の生き物たちや地球環境といった観点から見ると、命を吹き返す時間となっているのかもしれません。

今起きている出来事を私たち人間の観点からだけ見るのではなく、自分個人の立場からだけ見るのではなくちょっと違った観点からも見てみると、何か新しい気づきがありそうな気もします。
失われたたくさんの命を無駄にしないためにも、今私たち一人ひとりができることをしてさらなる感染拡大の防止に努めつつ、この経験から何かを学びそれをより良い未来につなげていくことができたらと思います。